
2007年度の総務省の統計によれば、二人以上の世帯における保健医療費の年間総額は平均で10万円を超えてきました。この事実は、二人以上の世帯において、50%の確率で医療費控除が受けられる可能性を示唆しています。
にもかかわらず、二人以上の世帯の50%が、実際に医療費控除の恩恵を受けているわけではありません。なぜでしょうか?
医療費控除を受けるためには、世帯全員の医療費の領収書を1年にわたって収集し、帳簿化する必要がありました。しかし、2008年からe-Taxを用いて、医療費控除を電子申請する場合は、原則、領収書の添付が不要となりました。
今回、私たちは、この規制緩和を利用し、医療機関の領収書や様々なヘルスケア関連の支出に関する領収書をデジタル化(QRコード化)し、それをカメラ付き携帯・PHSなどで、読み取ることにより、世帯全員の医療費の領収書を簡単に収集、管理できるサービスを開始いたしました。
医療費には病院や診療所などで保険医療を受けた際に支払う保険医療費と、ドラッグストアやコンビニ、量販店などで購入した物品の内、医療費として認められる保険外医療費とがあります。後者については、例えば、子供のオムツは医療費としては認められませんが、大人のオムツに関しては、数量の上限はあるにせよ、医療費として認められます。また、タクシー代は通常医療費ではありませんが、足の骨折などで歩行困難な場合は、自宅や最寄りの駅から医療機関までのタクシー代が保険外医療費として認められるケースがあります。
このように、保険外医療費に関しては、認められるかどうかといった仕分け作業が必要であり、これを半自動化するために、私たちは「ヘルスケア家計簿」というシステムとのサービス連携を開始いたしました。
皆様のご利用をよろしくお願い申し上げます。
なお、本サービスは、平成21年度 総務省の「ICT経済・地域活性化基盤確立事業(ユビキタス特区事業)」『医療機関のデジタル領収書プラットフォーム構築とヘルスケア家計簿との連携による地域住民への付加価値サービスの実現』として、2009年11月に採択され、構築いたしました。
平成21年度 総務省委託事業の成果報告については、以下の通り情報公開しておりますので、ぜひご覧ください。
■医療機関での全ての支出をはじめ、医療保険外のサービスを含む詳細データを取得。
■ドラックストアで購入したお薬やサプリメント、健康食品、介護用品等のデータも取得可能。
■会員と、そのご家族の健康管理とヘルスケア支出の節減が可能。
■税還付金を容易に受けることが可能。煩わしい領収書の管理と確定申告時の課税書類への記入が解消されます。
※1…サービス対応する医療機関・小売での支払いが対象です。
本サービスは、ユビキタス特区に指定されている京都府と連携し、京都医療センター(京都市伏見区)を中心に京都市南部地域にて、実証サービスを開始しました。
「デジタル領収書」サービスに対応した医療機関は順次拡大予定ですが、実際に「デジタル領収書」サービスを受けることができない地域の方でも、プロジェクトの成果を体験できる機能を準備をいたしました。
■(独)国立病院機構 京都医療センター (京都市伏見区)
■大石内科クリニック (京都市伏見区)
■調剤薬局オカモト (京都市伏見区)
■久我調剤薬局 (京都市伏見区)
■あい薬局藤森 (京都市伏見区)
■はやぶさ薬局三条店 (京都市東山区)